2010年12月20日
不動産投資コンサルティングの現場から 第2回
「まぁまぁ、明日の定休日は、久しぶりに僕は休めますし」
「となると、ジムで筋トレですかぁ、一体どこまでマッチョになるんですか山内さん。
あぁ、そう言えば明日の決済はKU銀行なんですけど、あそこ使ったことありますか」
「いやぁ、ないですね。規定厳しくて、収支合わんでしょ。珍しいとこ使いますね」
「うーん、この案件こけたら、売主業者さん、実はトンデタカモ・・・。首都高速沿
いの看板も撤去続いてますし、だいぶ業績悪いようで、買主側のファイナンスでは融
資条件が折り合わずローン解約寸前だったんですけど、最終的に売主メインバンクの
KU銀行が登場・・・、とまぁ、条件調整、融資審査なんかで半年がかりでしたけど、
何とかまとまりましたよ。ほんと、長かったなぁ」
「へぇ、随分ややこしかったんですねぇ」
いつまでたっても「ラストオーダー」と言いに来てくれない店内に残っている客は、
とっくに自分達だけになっていた。気がつけば、紹興酒のボトルがテーブルに3本。
時計を見ると、既に4時になっている。
「すいません、お勘定お願いします」
そう言って、ようやく中華街を後にすると、東急東横線の始発まで時間を潰すため、
事務所に立ち寄ることにした。暖房がいまいち効かず、事務所内の紅一点、文(カ
ザリ)が椅子に掛けていた膝かけ毛布にくるまってみる。そうして、事務所の窓か
ら一望できる朝のみなとみらいの海を眺めていると、何故だか笑えてきた。
ふと携帯を見ると、留守電が入っていることに気づく。
センターに問い合わせしてみる。
「ちょっと相談がありまして、また・・・。ピピッ」
聞き慣れた声の、クライアントからだった。
つづく
Posted by 中元 崇 at 00:01│Comments(0)
│余談